みなさんは自分の将来について考えたことがありますか?
やってみたいこと、就きたい職業など夢や希望はたくさんありますよね。でも、自分が実際に働く姿をイメージするのは難しいものです。

では「働く」ってどういうことでしょうか。
多くの人は学校を卒業後、社会に出て働くことになります。社会に出るということは、社会を構成する一員になるということ。そして、社会を構成する一員になるためには、経済的に自立し、収入を得ることが大切となります。つまり「働く」ことは、経済的に自立するために収入を得ること ということもできますが、このほかにも「やりがいや生きがいを感じること」「自分の成長につながること」などいろいろな意味があり、「生きるとはどういうことか」と同じくらい難しい問いです。

何を大切に考えるかは人ぞれぞれですが、誰でも「好きなこと」や「向いていること」を仕事にしたいですよね。そして、自分にとって納得のいく、将来に不安のない職場で働きたいものです。

世の中にはたくさんの仕事がありますが、みなさんはどのくらい知っていますか?やってみたい仕事に必要な知識や技術はどこで身に付けることができるのでしょうか?

まずは世の中のしくみや仕事の種類、働き方などいろいろなことを理解してから、「自分は何がしたいのか」「そのためにはどうしたらいいのか」をきちんと考えて、将来の進路を決めていきましょう。

知識・技術を身に付ければ、社会の受け皿は広がる

それでは、これから社会に出て行く若者の就職状況はどうなっているのでしょうか? 平成28年度の学校種別の就職率(就職希望者に占める就職者の割合)を見てみると、高等専門学校の100.0%をトップにすべての学校で90%を超えており、前年度と比較しても大きな差は見られません。しかし、各学校の就職希望率は大学全体で74.7%、短期大学で82.3%、高等専門学校は58.0%となっており、それ以外の人はさらに進学するか、卒業してもすぐに就職していないのです。一例を挙げると、大学や短期大学で専門分野を学習したけれど就職先が見つからず、専門学校で仕事に直結するスキルを身に付けるという人も多くいます。そのため専門学校の就職希望率は、比較的高い87.9%という数字になっています。

また近年の採用人事は、新卒者を多数採用して社内でじっくり育てるのではなく、人を見極めて本当に必要な人だけを採用する方法に変わってきています。そのことから、最近は高等学校卒業後に専門学校や、大学・短期大学へ進学する人が多く、高等学校卒業者の需要が少なくなってきています。なりたい職業や各自の能力によって事情は大きく異なりますが、最低でも高等学校卒業、できれば専門学校で手に職を付けるか大学で普遍的な学問を学ぶことで社会の受け皿が広がることは間違いありません。

図1 平成28年度大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業生の就職状況調査
※表はスワイプすることで左右にスライドして見ることができます。
区分 就職希望率 就職率 前年度卒業生の就職率
(H27.4.1現在)
【参考】
専修学校
(専門課程)
87.9%(▲0.0) 96.1%(▲0.9) 97.0%
専修学校
(専門課程)
を含めた統計
75.4%(0.3) 97.5%(0.1) 97.4%
四年制大学全体 74.7%(0.7) 97.6%(0.3) 97.3%
国公立大学 55.3%(2.1) 97.3%(0.2) 97.1%
私立大学 84.3%(0.0) 97.7%(0.3) 97.4%
短期大学 82.3%(1.0) 97.0%(▲0.4) 97.4%
高等専門学校 58.0%(▲4.0) 100.0%(0.0) 100.0%
74.2%(0.4) 97.5%(0.1) 97.5%

※文部科学省・厚生労働省調査(平成29年4月1日現在)
調査校は、大学62校、短大20校、高専10校、専修学校20校の計112校。
就職率とは、就職希望者に対する現時点での就職者の割合。
また、( )内は前年度同期調査からの増減値(▲は減少)。

「思っていた仕事と違った」とならないために今から準備をはじめよう

無事に就職できたとしても、それで安心というわけではありません。さまざまな理由で離職・失業する若者もたくさんいるのです。例えば、契約社員や派遣社員として働く場合、会社の都合や契約期間の終了で職を失うことも少なくありません。意欲があっても労働条件や職場環境が合わず働き続けることが難しい場合もあります。

また最近は、せっかく就職したにも関わらず、入社3年以内に自分の意志で仕事を辞めてしまう若者が増えていることが大きな社会問題になっています。その原因と いわれているのが「自分と仕事のミスマッチ」です。現代社会にはさまざまな職業があり、仕事内容も多様化しているので仕事の全体像を把握するのは大変です。しかし、厳しい就職活動を経て就職したにも関わらず「思っていた仕事と違った」ということにならないためにも、イメージだけではなく、実際の仕事内容や職場の環境、その仕事をする人の生活リズムまでもよく理解したうえで就職先を選ぶようにしたいものです。

つまり、卒業後に自分が希望する仕事にスムーズに就くためには、業界や職種、職業の仕事内容についてきちんと調べ、どのような人材が求められているのかきちんと理解しておくことが大切となります。めざす職業によっては特定の資格が必要だったり、上級学校へ進学した ほうがいい場合もあります。そしてこれらの準備には意外と時間がかかるため、できるだけ早い段階で自分の将来について考え、それに向けた準備を進めることが重要。「いざ就職!」というときになって、仕事がないということにならないためにも、今から将来について考えはじめましょう。

キャリア、キャリア教育とは?

みなさんは「キャリア」という言葉を知っていますか?一般には過去の経験や履歴、職歴などの意味で使われていますが、最近では、仕事や職業を含めた「ひとりの人間としての生き方」「自分らしい人生のあり方」「今までのキャリア、これからのキャリア」という意味で使われています。つまり“自分の将来のビジョンを描き、それに向かって一歩ずつ歩くこと”それがあなた自身の「キャリア」。その中でも仕事はとても大きな要素です。そして、一人ひとりが社会的・職業的に自立できるように、必要となる能力や態度(勤労観や職業観)を育てる教育を「キャリア教育」といいます。

出典:当振興会発行「業界&就職ガイド2018~2019年度静岡県版」より