若者の早期離職が社会問題に

学校を卒業し無事に就職することができても、すぐに仕事を辞めてしまう若者が多いことが、以前より社会問題となっています。離職率でいうと、大まかに中学校を卒業して就職した人の7割、高校を卒業して就職した人の5割、大学を卒業して就職した人の3割が、3年以内に仕事を辞めてしまう傾向が見られ、その割合から「七五三現象」と呼ばれています。

原因として、「最近の若者は我慢が足りない」などとも言われますが、図を見ると、平成元年からその傾向はほぼ変わっておらず、決してそれだけが問題なのではありません。しかし、若い人ほど雇用のミスマッチが起こりやすく、その傾向が依然として続いているのは事実。若い人ほど仕事について真剣に考え、自分の将来を切り開いていく力を身に付けることが大切といえます。

若者の失業率の推移

新卒で就職した人の離職率の推移

どれくらいの若者が仕事を辞めているの?

では、具体的に若者が仕事を辞めている割合(=失業率)はどの程度なのでしょうか。図を見ると、増減はありますが15~29歳の失業率はどの年代も平均を上回っており、その数字は若ければ若いほど大きくなっています。つまり、若い人ほど全体に占める失業率が高く、仕事を辞めた後、職に就きたくても就けない人も多いということがわかります。

日本

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
3.4 5.6 あり
  • 例年、就職希望者の9割以上(30万人以上)が就職。
  • 2010年から、新卒一括採用慣行の行き過ぎを正すため、「3年以内の既卒者を新卒扱いとする」ことを、事業主の努力義務とした。

フランス

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
10.4 24.7 なし
  • 大学以外の高等教育機関は実学志向で、産業界との関係が緊密。
  • 大学修了者は民間企業への就職は相対的に不利で、教職、公務員が中心。

ドイツ

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
4.6 7.2 なし
  • 中等教育卒業後、企業で見習い就労を行いながら、同時に職業学校に通学する「デュアルシステム」の制度があり、比較的成功しているとされている。

韓国

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
3.6 10.5 あり
  • 日本同様に新卒一括採用があるが、新入社員募集時の年齢差別禁止が義務づけられている。
  • 大学進学率が8割超と高く、短大進学者が4割を占める。その分、非正規が非常に多く、正社員としての採用が難しいとされている。

アメリカ

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
5.3 11.6 なし
  • 多くの大学で、インターンシップを単位として認定するため、ほとんどの学生がインターンシップを体験。

イギリス

失業率(%) 新卒
一括採用
全年齢計 15~24歳
5.3 14.6 なし
  • 大学在学中に就職活動をしない者が大半を占める。
  • 大学卒業後にボランティア活動などで社会経験を積んだ後、就職活動を行う者も多い。

※雇用戦略対話「若者雇用を取り巻く現状と問題」OECD“Labour Force Statistics2010”より作成
※出典・参照:ILO 2015年

日本の雇用制度の特徴について理解しよう

ここまでは、若者の失業率の高さについて説明しましたが、諸外国と比較すると、意外にも日本の若者の失業率は低く抑えられています(上図)。その一因といわれているのが、新卒者を年度初めに一括して採用する「新卒一括採用制度」の存在。実は、この新卒一括採用制度は日本独特のものであり、効率の良い採用・社員教育ができるので、若者の失業率が抑えられているのです。その反面、いったん仕事を辞めてしまうと、次の仕事につながりにくいというデメリットも持ち合わせています。つまり、日本ではいったん失業すると、その後も不安定で低所得な状態に固定されやすいということです。

出典:当振興会発行「業界&就職ガイド2018~2019年度静岡県版」より