人には得意・不得意や個性があるので、向いている仕事は、人それぞれ違います。たくさんある職業の中から、どの職業が自分に向いているのか判断するためには、できるだけたくさんの情報を集めて、じっくり検討することが大切です。

「業界」について調べてみよう

夢や憧れではなく、将来の目標として「やりたい仕事」を見出していくのは簡単なことではありません。具体的な仕事や職業を見つけるのが難しい場合は、「業界」について調べるところからはじめてみましょう。世の中には「業界」と呼ばれる、同じ産業に携わる企業が集まった単位があります(Step 1-2.参照)。例えば、自動車関連なら「自動車業界」、コンピュータ関連なら「IT業界」という具合です。興味のある業界を見つけることは、向いている職業を探すヒントにもなります。また、それぞれの業界にはたくさんの仕事・職業があります。特定の業界にしか存在しない職業もありますし、多くの業界にある仕事・職業もあります。「それぞれの業界にはどのような仕事・職業があるのか」を調べておくことも、仕事や職業を探すときの参考になるでしょう。

実際の仕事内容や職場を調べてみよう

みなさんが普段の生活の中でよく見かける職業がたくさんあります。例えば、飲食店で料理を作っているのは「調理師」です。「調理師」の仕事は料理を作ることだとイメージしているかもしれませんが、調理するだけが調理師の仕事ではなく、メニューを考えたり、材料を仕入れたり、お店が閉まったあとに翌日の仕込みもしなければなりません。みなさんが普段見ている仕事はその職業のごく一部。イメージで知っていると思わずに、仕事内容をきちんと調べることが大切です。また、業界が違っても同じ名前の職業があります。例えば、ものを売る「営業」の仕事はどの業界にも存在します。しかし業界や企業によって販売する商品や売り方、働く場所、必要な知識・スキルは異なります。業界ごとの違いについても調べておきましょう。

業界・職業・仕事内容はこうやって調べよう!

インターネット

最近はインターネットの普及で、さまざまな情報を手軽に調べられるようになりました。職業や仕事、資格に関する情報も、インターネット上にたくさん紹介されています。例えば、出版社や広告代理店などが独自に作っている「職業ガイドサイト」は業界ごとに整理されていて見やすいものが多くあります。ただし、情報が正確かどうかはサイトによりけりです。また、Webサイトで求人をしている企業の「採用情報ページ」や「求人・転職支援サイト」、「ハローワークのWebサイト」では、募集している職種の仕事内容、賃金、勤務時間などが書かれているので職業を知る目安になります。求人サイトやハローワークのWebサイトでは業界ごとの検索もできます。

ガイドブック

特定の職業や業界を詳しく取り上げたものや、あらゆる仕事が一覧できるものまで、さまざまなガイドブックが販売されています。まずはたくさんの仕事が紹介されているものを、興味ある業界や職業が見えてきたら、特定の内容が詳しく載っているものを利用するとよいでしょう。さまざまな職業をあなたの興味にそって探すことができます

体験談を聞く

学校の先輩や保護者、親戚や近所の方など、実際に働いている人に話を聞くのは最も手軽に具体的な情報が得られる手段です。その職業のよい面・悪い面も含めた実情が見えてくるかもしれません。ただし、話を聞く人の主観が入るので、多くの人から話を聞くことが大切です。

必要とされる「資格」「能力」を調べてみよう

「資格を持っていると就職や転職に有利」といわれますが、資格なら何でもいいというわけではありません。やりたい仕事に関連した資格であることが大切です。もし気になる職業が見つかったら、その職業にはどんな資格や能力が必要なのか調べてみましょう。

職業と資格の関係は大きく4つに分かれます。1つ目は「資格を持っている人だけが就ける職業」、2つ目は「資格を持っていると待遇面で有利になる職業」、3つ目は「資格を取得しておくと職に就きやすい職業」、4つ目は「資格の有無に関係なく、関連知識や専門スキルを身に付けておくと職に就きやすい職業」です。希望する職業に資格が必要な場合は、その資格が取得できる学校に進学することが最優先事項となります。資格や関連知識、専門スキルを習得しておくと職を探すときや就職後に有利になる職業をめざす場合は、これらを身に付けることのできる学校へ進学することを視野に入れて進路研究を進めていきましょう。

勤務時間や生活リズムを調べてみよう

すべての職業が「朝9時から夕方5時頃まで」というように同じ時間帯で働くわけではありません。お店だったら営業時間を「早番・遅番」という勤務シフトで働くことになりますし、病院だったら24時間を3交代制で働くこともあります。いくらやってみたい仕事でも、仕事のリズムが合わなければ、長い期間働くことは難しくなります。希望する仕事の勤務時間や生活リズムが自分に合うかどうかも大切なポイントになります。

給与や待遇を調べてみよう

「働く」理由のひとつは、「経済的に自立して、収入を得ること」です。ですから、「どのくらいの収入があるのか」は重要なポイントになります。同じ仕事・職業でも勤める会社によって、または「正社員」「契約社員」「派遣社員」「アルバイト」といった雇用形態によって収入や待遇は異なります。「どの程度の給与が支払われるのか」「休みはどのくらいあるのか」など、給与や待遇は事前に理解しておきましょう。

資格の種類

特定の業務や職業に就くために必要な資格、身に付けた知識やスキルのレベルを評価する資格など、資格にはいくつかの種類があります。まずは、その違いをきちんと理解しておきましょう。

業務独占資格

特定の資格を持っている人しか従事することのできない業務・職業に必要な資格。資格によっては一種・二種などに区別され、従事できる業務範囲が指定されているものもあります。また、有資格者が行ったもの以外は、法令の検査として認められない業務もあります。
〈例〉医師、看護師、美容師、理容師、税理士、公認会計士、建築士、測量士 など

名称独占資格

業務そのものは誰が行ってもいいですが、その際、有資格者以外は当該職業資格の名称を用いてはならないもの。例えば、調理の仕事は誰でもできますが、「調理師」と名乗れるのは資格を持っている人だけです。持っていることで専門家とみなされ待遇面や給与面でも優遇されます。就職の際は資格を持っていることが必須の場合もあります。
〈例〉調理師、製菓衛生師、保育士、介護福祉士、社会福祉士、司書、技能士(職業能力開発促進法に規定された各種職業に必要な技術レベルを評価し、資格化したもの)

必置資格

一定の業務を行う際、保安や衛生を確保するために、その業務を管理・監督する職位の設置が義務づけられています。その 職位は有資格者から選任されることになっています。就職後、一定期間、実務を経験した後に当該資格を取得するケースが一般的です。
〈例〉管理美容師、管理理容師、食品衛生責任者、通関士、電気主任技術者 など

民間団体が実施する技能検定

身に付けた知識・技能のレベルを評価するのが技能検定です。評価が高いものからあまり知られていないものまでたくさんあります。内容を調べてから取得するようにしましょう。
〈例〉簿記検定、情報処理技術者、ファイナンシャルプランナー、ビジネス能力検定、TOEICなど

 

※「業務独占資格」「名称独占資格」「必置資格」は一般に『公的職業資格』と呼ばれるもので、それぞれの資格は法令によって業務、職位、営業内容、範囲が特定されています。なお、公的職業資格は職業選択の自由を法的に制限する効果を持つため(有資格者のみが特定の業務・職業に就ける)、その制限がなければ公共の福祉が脅かされる恐れのある分野のみに設定されています。

その資格は安全?

最近、資格を取るための教材を高額で買わせたり、架空の資格が取れるともちかけて、受講料などをだまし取るトラブルが増えています。そういった被害にあわないためにも、世の中で認められている資格かどうか調べてみることが大切です。

出典:当振興会発行「業界&就職ガイド2018~2019年度静岡県版」より