世の中には、さまざまな産業、業種、業界、職種があります。将来やってみたいこと、自分にあった仕事・職業を見つけていくには、まず、これらのしくみを理解することが大切です。ここでは「産業」「業種」「業界」「職種」の特徴と社会で担う役割についてみていきましょう。

「産業」ってなに?

人々が生活するうえで必要なものを採取したり、作り出したり、提供したりする経済活動を「産業」といいます。「産業」はその内容によって、第1次産業、第2次産業、第3次産業に分かれています。

「第1次産業」は主に自然界に働きかけて、直接、富を採取する産業。農業・林業や漁業がこれにあたります。「第2次産業」は、第1次産業で採取したものを原料として加工し、富を作り出す産業。鉱業や建設業、製造業などがこれにあたります。「第3次産業」は、第1次産業および第2次産業に含まれない産業。小売業、宿泊業、飲食サービス業、医療・福祉業、金融業、情報通信業など、一般にサービス業と呼ばれるものです。

それぞれの「産業」ではどのくらいの人が働いているの?

平成27年に行われた国勢調査によると、第1次産業従事者は2,301,200人で、就業者総数に占める割合は4.0%(以下同)、第2次産業従事者は13,595,200人(23.4%)、第3次産業従事者は40,631,800人(69.9%)。就業者総数に占める割合を昭和60年の数値と比べてみると、第1次産業は9.3%→4.0%(5.3%減)、第2次産業は33.1%→23.4%(9.7%減)、第3次産業は57.3%→69.9%(12.6%増)となり、一概にいうことはできませんが、一般的には、農業、漁業、製造業などの第1次・第2次産業は縮小傾向にあり、逆にサービス業である第3次産業に従事する人が増え、日本の産業の中核になってきていることがわかります(図1)。

これには、日本が豊かになりサービスに高い質を求めるようになったこと、原材料の多くを海外からの安い輸入品に頼るようになったこと、生産拠点を人件費の安い海外に移す企業が増えたことなどさまざまな要因が関係しています。少子化・高齢化がいっそう進む今後もこの傾向で推移するものと考えられます。

一方で、食料自給率の低さや都市部と地方の格差などが問題になっていて、地方では農業を中心に第1次産業に従事する若者が強く求められています。また、不況の影響で全体的な雇用環境は厳しいといわれていますが、医療・福祉、運輸業など、人手不足で多くの人材を求めている業種・業界もあります。

図1:産業構造の変化
項目 昭和60年 平成27年
人口 121,048,923人 127,110,047人
労働力人口 60,390,551人 60,752,700人
就業者総数 58,357,232人 58,140,600人
※総務省統計局「国勢調査」、「労働力調査」
※「労働力人口」とは15歳以上の人口から通学、家事従事、病気、高齢などの理由により働くことのできない「非労働力人 口」を差し引いた人口。つまり15歳以上で働く意志と能力を持つ人の数。

出典:当振興会発行「業界&就職ガイド2018~2019年度静岡県版」より